細江町では姫街道にちなんだ観光祭りを、昭和27年から始めました。桜が満開になる4月上旬の祭りで、昭和37年の第11回からは、土・日曜日に開催されています。祭りの主役のお姫様は、祭りに参加する20歳の娘さんの中から選挙で選ばれます。
　両日ともに、行列は午後1時に商工会館本部を出発します。青年団の奴、お駕籠に乗った姫様、それに続く腰元が、桜吹雪の都田川堤を練り歩き、時代絵巻を繰り広げます。途中、行列は奴踊りや姫様の手踊りを披露し、午後4時30分に本部へ帰ります。
　この日は八幡神社の祭典でもあり、神輿の渡御、浦安の舞の奉納があります。姫様道中の華やかさに影を潜めた形になっていますが、八幡神社は気賀の町衆の古くからの氏神であり、見逃せない祭礼であります。
(参考文献：静岡県民俗学会(1990)：『静岡県の祭ごよみ』：静岡新聞社)